アウンコンサルティングは、島根県に位置する日本の世界文化遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」について、世界32カ国・地域を対象とした関心動向調査の結果を発表しました。
本調査は2025年1月から12月までのGoogleキーワードプランナーによる推定検索数を基に集計されており、AI時代のインバウンド戦略において地方遺産の価値発信が鍵となることを示しています。
2007年にユネスコ世界遺産に登録された石見銀山は、単なる鉱山遺跡ではなく、世界経済に影響を与えた産業システムと、自然と共生する持続可能な運営モデルが高く評価されています。16世紀から17世紀初頭にかけて世界の銀産出量の約3分の1を占め、1533年に導入された最新の精錬技術である灰吹法により高品質な銀の大量生産に成功しました。
また、採掘から出荷までのプロセスが一体となって保存されている完全な遺構や、計画的な植林により森林資源を枯渇させなかった文化的景観も大きな特徴です。当初はユネスコの諮問機関から登録延期が勧告されたものの、日本政府と地元が世界経済への貢献を粘り強く訴えた結果、逆転で登録が決定したというエピソードも残っています。
国別の検索ランキングでは、上位5カ国は1位アメリカ、2位インド、3位イタリア、4位ドイツ、5位イギリスの順となりました。

1位のアメリカでは石見銀山の歴史的経済価値や、サステナブルな観光を重視する層の嗜好と合致していることが要因と考えられています。2位のインドでは灰吹法などの精錬技術や地下坑道の構造がエンジニアリングや地質学的な視点から注目を集め、3位のイタリアでは大森地区の町並み保存などが分散型ホテル等のまちづくり概念と親和性が高く評価されています。さらに4位のドイツでは鉱山史や考古学的証拠への関心、5位のイギリスでは大航海時代から続くグローバルな貿易史への関心が検索意図に繋がっています。
地域別の動向を見ると、欧米豪からの検索が全体の半数を占めており、特に2025年12月に検索数が大幅に増加しました。これは年末年始の休暇に向けた長期滞在型リサーチの活発化に加え、欧米の主要旅行メディアが2026年に行くべき穴場スポットとして日本の地方文化遺産を特集した影響が推測されます。
インバウンド需要の増加が見込まれる中、石見銀山は観光目的のみならず、歴史、教育、持続可能性といった多様な視点から世界各国で再評価されています。

調査概要
調査種子
石見銀山とその文化的景観(世界文化遺産)に関する検索動向調査
調査要綱
・対象国・地域:OECD加盟主要国を中心にアウンコンサルティングにて抽出した世界32カ国・地域
- 北欧4カ国:フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク
- 湾岸協力会議(GCC)6カ国:サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーン
・対象キーワード:アウンコンサルティングが石見銀山関連の主要キーワード
・調査対象時期:2025年1月〜2025年12月
・分析項目:国・地域別の検索ボリュームおよびランキング
・調査方法:Googleキーワードプランナーを用いた国・地域別の検索データ集計、関係機関による統計・報道資料を基にアウンコンサルティングが独自分析






